4月23日(土)『教育』読者の会を開きました。参加者は10名でした。
『教育』4月号の特集1「出会いをつくる、教師を生きる」のなかから、岩川直樹論文「教師文化の分水嶺」を読み合いながら、議論しました。
教師の文化として、「力(リョク)を語る」文化と「時を語る」文化があり、この二つの文化が「まだら模様」をなしていること。時を語る文化の「ノイズ化」がこの20年ほどの間に進み、二つの文化を「どんな模様に編み直してゆくか」という課題が提起されていることには、参加者も共感をもって読みました。
議論のなかでは、時を語る文化が弱まっていることには、教育の法則化運動がもたらした影響も大きいのではないかという話も出ました。この点との関わりで、特集2「民間研・サークルで学び、つながる」で梅原利夫論文(「民間研で学びつながる教師」)も参照しながら、1990年代以降の民間教育研究運動や民間サークルの動向にも話が及びました。
また、現在の教育政策の動向において力を語る文化が優勢になっているとしても、大切なことを時間をかけてじっくりと相談し、決めることが大切にされている側面もまだまだ残っているのではないかという話も出ました。
さらに、若い教師が教育現場に立つ際に、「武装する」ことで自信をもって仕事に臨みたいということはあり、どの子どもにもできる、わかることを保障するにはどうしたらよいかという点では、力を語る文化の側面も求められてくるのではないか。
岩川論文で、二つの文化のまだら模様を自分たちの持ち場からどんな模様に編み直してゆくかを見定めてゆくことが提起されているが、この「編み直し」ということについて、ある意味での力や技術を求める若い教師たちの要求に応えることについて実際にどのように展望できるのかを考えていく必要もありそうだなと感じました。
(文責:本田伊克)
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