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『教育』を読む会10月例会

日時 2023年10月14日(土)
10:00~12:00
会場 みやぎ教育文化研究センター
会場の詳細はこちら
参加費 無料
テキスト 『教育』2023年10月号
内容

【10月号】
特集1  生徒指導提要を読む
特集2  生涯発達の場としての「大学」

文科省が小学校段階から高校段階までの生徒指導に関する理論・考え方、実際の指導方法などをまとめた「生徒指導提要」(2023年2月最終版)が、12年ぶりに改訂された。そこには文科省文書として初めて「子どもの権利条約」にもとづく子どもの権利4原則が書き込まれたが、その視点や精神が全体に貫かれているとは言えない。特集1は、提要のいくつかのテーマを取り上げて、批判的に検討する。
特集2では、学校教育法の「大学」だけでなく、世代を超えて、学びたいという要求を持つ多様な人々に開かれた学びの場の場としての「大学」の豊かさについて考える。

前回の
様子

9月号の第2特集、仲田康一さんの「教育改革に『戦い抗う』」を全体で輪読し、意見交流しました。
そこでは、若手教師は「できる教師」になりたいという思いはあるが、サークルや組合などに入って学ぶということにはなかなかならない。若手の実態として、現場の多忙化や様々な課題への対応に追われる状況のもと文科省や教委の求める教師像をめざして一生懸命という感じを受ける。そういう若手が自らの教師像や教育観を見つめ直し・育むために何が必要なのか考えると、「語る場」が必要。しかしそういう場がどれだけあるか? また表象的なことしか議論されない今の学校現場で、仲田さんの「ほんとうのことを腹蔵なく語る」にはどうすればよいのか。そのためには若手だけでなく、経験豊富な教師も一緒に、ともに学ぶということが必要ではないかなど、上からの教育改革に対して、どう抵抗の契機を見出すか、生み出すかという点について交流がなされた。
また、全体として読み合わせをしたわけではないが、特集1の篠崎裕太さんの「格差を広げる観点別評価」も交流のなかで話題にあがった。
参加した高校の先生から次のような話があった。観点別評価の関心・意欲・態度に関わって、ある生徒は、授業でほとんど机に突っ伏していて、自分に関係ないことはやらない。でも、テストや課題を出せばほぼ完ぺきに近い。学校としては、観点別評価としては悪い評価をつけることになる(ただし、彼は彼なりやる時とやらない時の判断・選択をしているのは確か。見方によっては、その良し悪しは別として「主体的」)。
ところが文科省や教育委員会の観点別評価に対する考えでは、知識や理解、思考がよいのに関心・意欲・態度が悪いということはあり得ないということになるらしい。そういう学校現場と政策側の矛盾があることなど、具体的な高校現場の悩みが語られた。