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「憂憤録」の頃の私

著者 中森孜郎
価格 無料
発行年 2018年
在庫 あり
本書の紹介

みやぎ教育文化研究センターの設立時から所長を務めてこられた中森孜郎先生が、青年時代に書き留めておいた記録をまとめた「憂憤録」を刊行しました。
太平洋戦争の頃10代後半の、いわゆる「軍国少年」だった中森孜郎さん。当時の青年たちの思いを残した書は、学徒動員で還らぬ人となった青年たちが残した「きけわだつみの声」など以外には、なかなか目にすることはありませんでした。
1926年(昭和元年)生まれである中森先生の青年期は、アジア・太平洋戦争の時代の真最中から敗戦の頃と一致します。厳しい環境の中で書き留めておいた手記は、一人の軍国少年の精神の内面の記録であり、貴重な歴史資料になります。同時に「軍国少年」を作り出した、当時の「教育の力」を考えないわけにはいきません。本書の中で、中森さんは「きけわだつみの声」の青年と先生ご自身の違いは、本当の学問に触れた者と触れない者の違いであることに気づいたと述べ、今日の中森さんの新しいスタートに繋がります。
戦後70余年を経た日本では、2005年に自由民主党が「新憲法草案」を発表し、「自衛軍保持」を明記、2006年の第一次安倍内閣発足後には教育基本法の改悪した上、新教育基本法には「愛国心」を盛り込む。そして今年の4月からは、特別な教科・道徳が、正式な教科として格上げされました。ちなみに戦前の通信票では、今の道徳にあたる「修身」が、国語や算数の上に評価欄があり、「教育勅語」の徹底が最優先で評価されていたことを思うと、「教育の恐ろしさ」を考えざるを得ません。
歴史の歯車を後戻りさせず、人類の幸せの方向に進めるためにも、過去の歴史からしっかり学ばなければなりません。
ぜひ手にとって読んで欲しいと思います。ご希望の方は連絡くだされば、無料でお配りします。