『教育』を読む会 10月例会

日時 2018年10月27日(土)
10:00~12:00
会場 みやぎ教育文化研究センター
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参加費 無料
テキスト 『教育』2018年10月号
内容

特集1 ねらわれる幼児期、子育ての不安
特集2 どう変わる?プラットフォーム/
    チーム学校
近年、子どもの成長や発達において乳幼児期をどう過ごすか、その重要性がさまざまに指摘されています。その中には法令や条例で家庭教育「支援」と称し家庭の役割を事細かに定めたり、「幼児期を過ぎると手遅れ」などという謳い文句で早期教育を煽るものなど、「子育ての第一義的責任」を負う親たちにさまざまなプレッシャーをかけることにもなっています。特集1では、人間の尊厳を保障する観点から幼児期の子育て・教育についてその理論と実践を考えていきます。
特集2では、教育に対する社会の要求と課題の多様化の中で「チームとしての学校」、あるいは「プラットホームとしての学校」などが提言され、学校の機能と役割の拡張が求められてきていることを念頭に、改めて「学校とは何か」を問い直し、課題を考えます。

前回の
様子

9月の読者会は、特集1「学校スタンダードとゼロトレランス」から山本宏樹さんの『校則・スタンダードに法と科学を~法治型ゼロトレランスと管理教育2.0』を読み合い、話し合いました。

山本論文は、《教師から裁量を奪うスタンダードが勢いを増し、教師は精神的暴力をメインとした管理教育に手を染めている。》と分析している。
議論の中で、「教員評価がそれに拍車をかけている」「若い教師の中には、スタンダードがあると安心という意見がある」同一対応をすることで、自分への責任が問われなく、「学校の決まり通りやっています」という責任転嫁が進んでいくという。また、職員会議すら形骸化している中で、《教師ごとに量刑相場が異なれば子どもの間に不公平感が生まれるし、問題が起こるたびに職員会議で時間を割かれることもなく説明責任を果たしやすくなる》(山本論文)という現実?があることも指摘された。
その後、参加者の経験を交流。生徒手帳のない高校で育ったというYさん。Sさんの弟がその高校で生徒会役員をしていたとき、制服の自由化を実現させたこと。Oさんも中学校で制服の自由化を実現させた経験話。Aさんからは、そもそも憲法に照らして校則やスタンダード、ゼロトレランスを考え直すことの必要性が。

読者会の2日前、朝日新聞1面に連載の『折々のことば』に、『足並みそろうと全滅しちゃう』という雑草学者、稲垣栄洋氏の言葉を鷲田清一が取り上げていた。全文紹介する。「開花の時期をずらしたり、背丈を違えたり、植物はつねに多様性を拡げようとすると雑草学者は説く。環境のどんな異変にも対応できるよう、とりあえず、たくさん用意しておきましょうね、というのが多様性。人はついバラつきを嫌い、標準化を図るが、生き延びる工夫はどうも植物のほうが上らしい」
また同じ日、文科省が『重いランドセル』問題に対応するかのように、持ち帰りを減らし教室に置いておくことを奨励?する通知を出したというニュースを目にした。こんなことにまで通知をだす文科省に呆れて物もいえない。文科省ならもっとするべきことがあるだろう!!