『教育』を読む会 3月例会

日時 2019年3月23日(土)
10:00~12:00
会場 みやぎ教育文化研究センター
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参加費 無料
テキスト 『教育』2019年3月号
内容

特集1 教科学習の可能性
特集2 道徳の授業をつくる

2017,18年に改訂された学習指導要領は、教育課程の領域編成を内容ベースから能力ベースへと変更し、生涯にわたって発揮される力を、知的能力だけでなく非認知能力や社会的な関係づくりの力などに広めて獲得させることが強調された。また「特別の教科 道徳」「外国語」など新たな教科、高校の「探究」科目の新設など教科の新設・再編もなされた。さらに既存の教科でも、国家の目指す方向に向けて教育の目標・内容・方法の統制が進んでいるという。こうしたなかで「教科」の意義が問われています。
特集1では、教科を学ぶことにいかなる意義があるのか。教科を学ぶことが子どもたちのいかなる力をどのように育てるのか。学校は子どもたちにどんな力を、どこまで、どういうふうに保障すべきなのか。各論稿を読みながら考え合いたいと思います。

特集2では「特別の教科 道徳」を取り上げます。小学校では、実施から1年が経とうとしています。どんな授業をどのように、そしてどのように評価をしたらよいのかなど、学校現場では混乱と模索を伴いながらも取り組みがなされてきました。この1年の学校現場での取り組みの中で見えてきた現状と課題をつき合わせながら、またこれから始まる中学校の道徳教育も含め、今後の道徳教育について考え合いたいと思います。

前回の
様子

2月の読者会は、特集1「子どもの権利30年」から世取山洋介さんの「子どもの権利条約の日本での35年」と、宮盛邦友さんの「子どもの権利論と教育学の課題」を読み合いました。

子どもの権利条約は、日本政府が批准してから25年、国連の草案段階から数えれば35年が経過しようとしています。世取山さんは、論稿で「35年余に及ぶ日本における本条約の歴史を、本条約の実施監視機関である国連子どもの権利委員会(CRC)による政府報告審査をめぐって展開してきた、CRCと非政府組織との間のダイナミズムの分析を通して」描き、この35年のなかで「子どもの権利」のとらえ方や内実がどのように把握され豊かに展開されてきたのか、またその時々の取り組みにおける課題などを指摘しながら、今日における現状と課題を明らかにしている。
話し合いでは、日本政府は、この間CRCからなされてきた最終勧告に正対せず、その役割を一貫して放棄してきたこと。その一方で、日本社会全体の構造改革と新自由主義的な教育改革の中で生じてきたさまざまな子育て・教育の困難や課題を保護者や教師、学校や地域にその責任を押し付けてきている。その結果、子育てや教育に直接かかわる現場は疲弊し、自らの役割と責任を果たせなくなってきている現状が、それぞれに語られた。
宮盛さんの論稿は、時間的な制約もあり読み合うことがやっとで、十分話し合うことができなかった。