7月の会では、シュタイナーが人間精神についてどのように考えていたのかをテキストと資料をもとに読み進めた。
カントは人間精神を感性・悟性・理性の3区分によって論じたが、シュタイナーは表象・感情・意志の3区分によって把握し論じている。これは、生命体に対する心(心魂)の働きによる区分であり、カントのような人間能力の区分とは異なるが、とても魅力的に思えた。このシュタイナーの区分に、当時のフィヒテやショーペンハウアーの影響を見てとることもできるだろう。
シュタイナーの3区分を図式的にすると、おおよそ次のようになる。
表象—認識・一回性—反感—(過去)
感情—表象と意志とが触れ合い、干渉しあった中間的状態—(現在)
意志—想像・反復性—好感—(未来)
シュタイナーは、人間精神を以上のように区分するとともに過去—現在—未来という時制とともにそれらが位置付けられ語られる。さらにはこのような人間精神のあり様が、神秘主義者としての転生へと結びついてもいる。
|