道徳と教育を考える会・11月例会(隔月開催)

日時 2019年11月17日(日)
10:00~12:00
会場 みやぎ教育文化研究センター
会場の詳細はこちら
参加費 無料
テキスト 当日、資料配布
内容

これまで3回にわたって東京書籍の中学校道徳教科書の分析を行ってきました。
今回からは、現政権に近い人たちが関わってつくったと言われる日本教科書株式会社の中1・道徳教科書の分析を行います。
またP4Cについては、ユネスコなど世界の動向なども踏まえながら引き続き学習していきます。

前回の
様子

9月の会は、宮城県内の中学校で使用されている東京書籍の中学3年教科書を検討しました。報告者からは、次のような報告がされました。

●すでにこれまでも何度となく指摘しているが「特別の教科 道徳」の根本の問題は、9年間にわたって20余の同じ徳目を教えること。同じ枠内での堂々巡り状態で、教科としての内容の発展性も系統性も客観性も理念もない。教科書が与えようとする「社会常識」は身につくかもしれないが、固定した徳目の習性化になりかねない。戦前の「修身」にみられる教条的な「教え込み主義」が再来している。
●教科全体としてのねらいは、社会的な規範意識の育成にあると読み取れる。そのような単元構成の中で生徒たちに問われる「自分の思い」や「考えたこと」や「アクション」は、逆に個性や批判的認識を損なう恐れがある。
●「あいさつ」は、道徳学習の導入としてはありえるかもしれないが、それが毎年繰り返され、中3では「どういたしまして」「おさきに」「返事をする」が扱われている。それは中3の内容としてふさわしいと言えるのだろうか。ある意味であいさつに象徴されるように、15歳の生徒の課題に応えるものになっているとは思えない。15歳という年齢を考えるなら存在や倫理の根本的意味、人間性の根本、現代世界の危機などについて応える内容でなければならないのではないか。

それらを踏まえながら、各個別の教材についてみていきました。

後半では、P4Cについてユネスコの出している下記資料を読み合いました。
Philosophy  : A School of Freedom
Teaching philosophy and learning to philosophize at pre-school and primary levels – Philosophy and young minds: The age of wonder

Goucha, Moufida  UNESDOC Digital Library  2007