11月の会では、現政権と親密度の高い方たちが関わってつくったと言われる日本教科書株式会社の中学校・道徳教科書の分析を行いました。次のような報告がなされました。
★日本教科書の道徳教科書については、多くの批判が出されている。台湾統治時代の資料、安倍首相の真珠湾での演説、伊勢神宮の記事などが掲載されている。これだけで失格と言えるかもしれないが、他社教科書も大同小異である。教材および文章は、全体的に東京書籍の教科書よりもよい。指導要領に忠実であり、ある意味ではその点で鵺的なごまかしがなく、理解しやすい。
★教材文は概して長く、丁寧に述べられている。文意の展開は比較的安定している。
★巻末に、生徒自身の心の成長を振り返る自己評価欄と、道徳の時間について振り返る自己評価欄がある。どちらも4段階で表記するようになっている。また道徳の時間につい手の振り返りでは記述欄も付けられている。
報告後の話し合いでは、文章が長いと1時間の授業で終わらない。現場の感覚からするとそれでは扱いづらい。また日本による台湾統治時代の八田與一の教材について、台湾の植民地支配を教える教材にできるのではとの見方もできようが、さまざまな教師がいるなかで歴史的なことを踏まえ、きちんと理解して授業できるか疑問だ。4段階評価については、道徳の時間を振り返ることはやってもよいが、心の成長として22項目にわたりできたか否かを問う評価はすべきではないと思うなどのやり取りがなされました。他に、同教科書に関わって論評されたものも読み合いました。
会の後半は、ユネスコのP4Cに関する資料を読んでいきました。
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