【中止のお知らせ】ゼミナールsirube4月例会は、新型肺炎の感染拡大防止のため中止といたします。
日時 |
2020年4月27日(月) 13:30~16:30 |
会場 |
みやぎ教育文化研究センター
会場の詳細はこちら |
参加費 |
無料 |
テキスト |
太田直道著『人間教育の哲学史』、当日配布資料 |
内容 |
3月に引き続き、『民主主義と教育』『学校と社会』『経験と教育』などの著作で知られるジョン・デューイの教育思想を読み進めていきます。ぜひご参加ください。お待ちしてます。
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前回の 様子 |
3月の会では、テキスト『人間教育の哲学史』の「第12講 教育思想の現在へ」のデューイに関わる部分と、デューイの著書『学校と社会』の抜萃資料を読み進めていきました。
デューイは、20世紀前半の躍進するアメリカ社会を背景に、新しい社会の担い手の教育を最も精力的に説いた思想家と言える。彼の教育思想の根底には、子どもの学習は探求の過程にほかならないという探求的教育論がある。それは二つの原理、一つは経験は連続的であり必然的流れをなしているという連続性の原理、もう一つは個人と環境との相互作用の原理があり、二つの原理は探求としての経験に結びついている。『論理学―探求の理論』のなかで、デューイは「探求は新しい環境条件をつくり、それがまた新しい問題を引き起こす」「特定の問題が解決されると、また新しい問題があらわれでようとする。あらゆる解決が、何ほどかの新しい未解決の状態をもたらすから、最終的な解決などというものはない」という。太田先生によれば、このような捉え方にデューイにおけるヘーゲル弁証法の影響をみてとることもできるという。
また教育の目的として①身体的運動的能力の増進 ②社会的に優位な能力の育成 ③精神を内面的に洗練し、人格を豊かにする教養の獲得、を上げている。注目すべきは②の社会的目的であり、社会的能力の獲得が学校教育の中心であるとし、3つの目的の追求を通して、現実的で共同的な生活に積極的に参加する個人を育てることを説いた。したがって教育の課題は、子どもの経験をどのように共同生活に参与していくように導いていくかということとなる。
なお話し合いの中では、社会的に優位な能力の育成という点が、今日の経済界や産業界による人材育成などと関連して、どのように理解したらいいのか。またデューイが子どもの特質を「依存性」と「可塑性」として述べ、それらは子どもが未熟で無力であることの証でもあるが、一方で驚くべき「能力」として肯定的に捉えていることなどが話になった。
会の後半は、デューイが尽力し設立したシカゴ大学付属実験学校のあり方と取り組みについて保護者や関心を寄せる人々に行った講演がもとになっている、『学校と社会』の抜萃資料を読み合いました。
読書会では、「学校」と「社会」は密接に関連しており一体であること。社会の発展は、その多くを子どもたちに負っており、よって教育・学校の役割は重要であり、学校は社会から孤立してはならず、大きな社会生活全体の一部分として有機的な関連をもつようにしなければいけないこと。そのような教育は仕事や作業、あるいは現実に触れることなどを通じてなされること。以上のような点を中心に抜萃資料を読み合いました。
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