2月の会では、引き続き日本教科書株式会社の中学校・道徳教科書を見ていきました。
今回は、この道徳教科書について論じた佐藤広美「日本教科書が持ち込む歴史認識と『修身』の手法」、平井美津子「学校でもし日本教科書の道徳教科書をつかったら」、渡辺雅之「日本教科書の危なさが突出し、全体が巧妙化する」の抜粋資料にもとづきながら、その中で言及されている同教科書の「大地—八田與一の夢」(中1)、それに関連した「台湾に遺したもの」(中2)、さらに「マナーとルール」(中2)の「割れ窓理論」や「和解の力」(中2)などを中心に、同教科書の依拠する価値観や特質、その問題点などについて話し合いました。
3人の論稿は、どれも同教科書を批判的に分析し論じていますが、なかでも「大地—八田與一の夢」(中1)、それに関連した「台湾に遺したもの」(中2)が、日本の植民地支配について触れていないことを歴史的事実や背景に基づいて解明した佐藤論文は読みごたえがありました。またそれを踏まえながら、改めて道徳教育はどうあればよいのか、歴史教育はどうあればよいのか。そのちがいは?など、今日の現状を踏まえながら考える必要があると思いました。
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