【12月号】
特集1 優性思想をこえる
特集2 コロナ禍の今、教員の働き方を問う
やまゆり園事件から4年半を数えようとしている。彼の行動を直接規定しているとみられる優性思想は過去のものでは決してない。今を生きる私たちの社会に依然として深く浸透している。優性思想は、人間存在に対し「役に立つ」「生産性の有無」という一部の価値に依拠し、その価値に基づき人間ををはかろうとする思想である。「事件」が投げかける教育への問いを受けとめ、優性思想について考える。それは、人間存在の意味を根本からとらえなおし、教育とは何かを考えることだろう。
特集2では、コロナ禍のなかで、教育に今ほんとうに必要なものは何かが見え始めてきた一方で、ここぞとばかりに子どもや学校現場・教師不在の教育「改革」が推し進められようとしている。教員の働き方を中心に教育の今を問う。
【1月号】
特集1 だれのための高校改革か?
特集2 現代社会と教育実践の基本課題
高校教育に改革の波が押し寄せている。それは高校教育、大学入試、大学教育の三位一体の改革であり、これまで以上に教育産業が深くかかわるものである。教育内容が ❝ カネ ❞ になる能力の効率的な習得に矮小化され、進路が教育産業の提供する「模試」によって左右され、オンライン教材への依存が授業の画一化をもたらす。こうして生徒が授業で様々な文化・価値と出会う機会が奪われる。そういう危険性が見え隠れする。一体、誰のための教育改革なのか。高校生に補償すべき学びとは何か。特集1では、そのための教育課程づくりについて考える。
『教育』では、これまでも新自由主義に対抗する教育のあり方について論じてきているが、「教育実践」を深めることこそ今求められる大切なものだと考え、教育実践における子ども把握の発展、教師の生き方の問いなおし、そして社会変革への展望を特集2では論じる。
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