『教育』を読む会 10月例会

日時 2021年10月23日(土)
10:00~12:00
会場 みやぎ教育文化研究センター
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参加費 無料
テキスト 『教育』2021年101月号
内容

【10月号】
特集1  教職員が楽しく働ける学校へ
特集2  市民的教養を育む理科教育

◆学校教職員の働き方が「ブラック」と呼ばれるようになって久しい。特集1は、「ブラック」と言われる教職員労働の闇を受け止めつつ、歴史的分析を踏まえた教員世界の地殻変動の展望と、子ども・生徒に寄り添いながら進められる同僚づくり、学校づくりの取り組みを明らかにし、教育と学校現場の光を見出す道を探る。

◆「理科離れ」などが話題になるなか、国は優秀な科学技術系人材の確保のため専門家育成に力を入れている。特集2では、専門家ではない一般市民の権利という視点からこれまでの理科教育のあり方を問いなおす。

前回の
様子

9月の教育を読む会の参加者は10名。今回は、特集1から柳橋晃さんの「実践記録によるピア・レビューをめざして」を、また特別企画から渡邉由之「教育実践批評の学としての教育学」を読み合いました。

柳原さんの論考は、「個人情報の保護に関する法律」によって個人情報の取り扱いが厳格化されるなかで、教師が第三者(子どもや保護者の知らない校外の者)を含む学習会や研究会で、子どもの実態や家庭状況などを率直に出しながら語り検討することの困難性と、またそのような現状下で実践検討を活発に行うにはどうしたらよいか、その対処について考察されている。
事実、私たち「読む会」でテキストとしている『教育』も、紙面に出てくる生徒・児童の名前はアルファベットや仮名となっているし、報告する教師自らも仮名での報告となっている。
参加者からは、子どもや家庭のことを学級通信や学習活動で扱う場合にも様々な配慮や慎重さが必要なこと、そのため以前のように率直に語ったり話し合ったりすることが難しい。子どもの抱える実態、地域の抱える問題がつかめないと、教育実践が浮き上がって見えてこない。内々のサークルや研究会の中では検討できても出版などの形で公(みんなものに)することはなかなかできない。大学関係者からは、そもそも教育実践研究がアカデミックな研究としては認められなくなってきている事実なども指摘された。
しばらく前から個性的で魅力的な教師と子どもたちの取り組みを記録した教育実践書が少なくなったと感じてきた。その背景に、以上のようなこともあるのだろうかと気になった。
時間の制約もあり渡邉さんの論考は十分時間を取って話し合えなかった。渡邉さん自身は「批評」「批判」「研究」などをきちんと整理して使い分けているのだろうが、こちらの理解力・読解力不足も相まって、それら一つ一つがくっきりとした輪郭としてはつかめなかった。また教育実践との絡みで、それらがどう異なったり重なったり関係したりしながら「批評をめぐる問題」として焦点化されるのか、その問題性と課題が何となくはっきり見えなかった。