『教育』を読む会 3月例会

日時 2022年3月19日(土)
10:00~12:00
会場 みやぎみやぎ教育文化研究センター
会場の詳細はこちら
参加費 無料
テキスト 『教育』2022年2・3月号
内容

【3月号】
特集1  STOP !  教職員の非正規化 Ⅰ
特集2  小学校低学年の「荒れ」を問う

1月、2月とコロナの感染拡大でお休みしましたが、3月から例会を再開します。年度末で、みなさんお忙しいと思いますが、ぜひご参加ください。
なお3月号を中心に会を進めたいと思いますが、2月号をお持ちの方は、そちらもお持ち下さい。よろしくお願いします。

前回の
様子

コロナで休会だったため、前回の『読む会』は昨年12月。まだ2カ月しかたっていないが、なんだかずいぶん前のような気がした。
会では、12月号特集1の山本敏郎論稿「自治、その組織・活動・世界」を中心に読んだ。
山本は、今日の教員・学生・市民などが「自治のイメージがわからない」と言う現状から話を切り出し、城丸章夫の「自治活動とは自治組織の活動」であり、自治組織がない自主的活動は自治とは区別される必要があるという考えを引用している。この点を中心に、会での話し合いは、中学校で長く生活指導をやってきた立場から、城丸の考えは賛同できるとの意見が寄せられた。他方で、自治活動を城丸のように規定した場合に、山本も論稿の中で言及し、特集前半の論稿でも取り上げている子どもの遊びや「この指とまれ!」式の積極的な、しかし自然発生的な自主的活動を語る実践は、どう位置づき関連するのか。山本自身がその点をどう考えているのかいま一つ論稿からはみえてこないが、これまでの教育における自治活動の栄枯盛衰や、今日の状況のなかで教育に自治を取り戻すためにどうしたらよいのか、意見が交わされた。

余談だが会での話しを聞きながら、個人的には1920年前後に総資本の攻勢に対してどう戦うのかをめぐり山川均と大杉栄の間で交わされた、いわゆるアナ・ボル論争を思い出していた。総労働の組織的結集の必要を語る山川、そのようなあり方を批判し自治・自由を説く大杉、二人の姿が上記に述べた自治をどう考えるかの議論と重なってみえた。
ところで、今の子どもたちの状況を思うと、子どもたちは、実は組織によってがんじがらめなのではないか。家庭という組織、学校という組織、学級という組織、習い事やスポ少という組織。子どもたちは組織に囲まれ、組織の世界でずっと生きているのでは? 自分たちの時代のように何をするでもなく、時間を持て余す。そんな世界を、今の子どもたちは生きていないのかも? だとしたら、そういう組織からはずれたところの世界を、まずは生きることが必要なのかもしれない。友達と名もない、しょうもない遊びや語らいの時間を共にするなかで見出す遊び、突然あらわれる企ての時間、祝祭の時間。そういう企ての醍醐味やおもしろさ、大変さの経験がなければ、自治は永遠に求めるユートピアにならないのかもしれない。