第2回目の学習会に参加しました。私は哲学が好きで、大学生の時は、太田先生の哲学の授業をとても楽しみにしていました。一字一句聞き漏らすまいと、必死でノートを取っていたのを覚えています。
そんな太田先生と、また、哲学の学習ができるとあって、とてもワクワクしていました。でも、久しぶりだし、難しそうな本だったので、ついて行けるか、理解できるか、不安でした。
しかしそんな不安は、すぐに消えました。太田先生の選び抜かれた言葉は、詩的で美しく、難解なようでいて、なるほどなるほどと、理解できました。
特に、「風化」は、「出来事が時の波によって運ばれ、その複雑な輪郭が次第に『概略化』され、個性的な骨格像にまで還元されていくこと」というのが、そうだなあと思いました。だから、一概に「風化」は悪いことではないのだけれど、それに精彩を与えるものが「反復」だということ、安定的に伝承されるためには、「意味」が大事であることを、改めて理解しました。福島原発のことを安定的に伝承するために、私たちは、くり返しその「意味」を「ありありと知る・知らせる」ことです。
それから、最後に学習した「工業文明という魔神」の「今日の工業社会のあらゆる問題の根源は近代に生まれ、人間を支配してきた科学技術そのもののなかにこそ求められなければならない」。ここが、分かるようでもあり、分からないことでもあります。
斎藤幸平は、今日の問題の根源を資本主義に求めていますが、それとは違うのでしょうか? また、良い科学技術は無いのでしょうか? しかし人間は、制御不能の原発を作り、作ったら稼働させずにはいられなくなります。遺伝子操作もだし、今はやりのAI技術もです。
これから私たちは、どうしていったらいいのか、考えていきたいです。
次回もとても楽しみです。(矢部)
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